小野山公認会計士事務所

タックスヘイブンを使った租税回避スキーム

タックスヘイブンを使った租税回避スキームについて、国税庁も海外情報であるため入手するのに限界がありましたが、各国との租税情報交換協定の締結や情報交換によりここ数年国税庁の情報量は高まってきています。

アメリカ合衆国、イギリス、オーストラリアの3国の税務当局が、タックスヘイブンに所在する事業体に関して大量の情報を既に入手していますが、2013年5月に国税庁から発表された情報によれば、この3国のうちオーストラリア国税庁から日本の納税者や事業体に関する情報を国税庁が入手したとのことです。

今回、オーストラリア国税庁から入手した情報は、シンガポール、ヴァージン諸島、ケイマン諸島、クック諸島を含む世界中に存在する事業体によるオフショア・ストラクチャーがわかるものであるとのことであり、ファンド名や法人名、アドバイザー、ファンドの出資者の氏名・住所等のデータが含まれているようですので、今後これらの情報が順次解析され調査が開始されることが予測されます。

 

また、タックスヘイブン国と租税情報交換協定を締結して情報ネットワークの構築を図っており、国税庁からの要請に基づく情報交換も件数も伸びてきています。

 

【近年の租税条約の改正・租税情報交換協定の締結状況】

 

2013年  6月 サモア共和国

2012年12月 リヒテンシュタイン公国

2012年  4月 マカオ

2012年  4月 ヴァージン諸島

2011年12月 スイス

2011年12月 ルクセンブルク

2011年12月 オランダ

2011年11月 ケイマン諸島

2011年  9月 マン島

2011年  9月 サウジアラビア

2011年  8月 香港

2011年  8月 バハマ

2010年  7月 バミューダ

 

(出所:財務相 租税条約に関するプレスリリース

 

このように海外との情報ネットワークが進んできているため、安易な国際的租税回避スキームを利用することは昔に比べてリスクが高くなってきていることにご注意下さい。

 

【関連コラム】

外国法人所得に対する日本の課税(タックスヘイブン対策税制)

 

 

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