「生計を一にする」の意味
扶養控除の対象や親族への報酬に係る必要経費の特例、同族関係者の範囲等、税務の要件の中には「生計を一にする」という言葉が出てきます。生計を一にする者になる・ならないによって、有利になる場合、不利になる場合があるため、言葉の定義を把握して対応をすることが必要となります。
「生計を一にする」の言葉の定義は、税法上明確に定義されているものはありませんが、以下の通達で定められているものがありますが、下記の通達からのポイントは、以下の点が挙げられます。
① 同居の有無は関係ないこと
② 同居の場合は生活の財源が共通していること
③ 別居の場合は生活費等の送金が行われていること
そのため、別居親族を生計を一にする者にする場合、仕送りなど送金により扶養されている事実を明確にしておくことが望まれます。
また、逆に個人事業における親族に対する報酬を経費にするため、同居親族を別生計とする場合は、単に独立した収入がそれぞれあるだけではなく、家計負担が無いなど独立性が問題となるため留意が必要です。