役員等への退職金に係る税金の改正
退職所得は退職所得控除後の金額から更に1/2減額されるため、給与よりも退職金の方が税金が少なくなります。そこで短期間の在籍で給与所得から退職所得に振替えることによる節税を防ぐため、以下の改正が行われていますのでご留意下さい(平成25年1月1日以後の退職手当等より適用)
では、具体的に特定役員退職手当に該当した場合の影響を見てみることにします。
【退職金振替無しのケース】
月額報酬:1,250千円
社会保険料:健康保険料率11.55%、厚生年金保険料率16.766%の料率を使用
役員在籍年数:4年1ヵ月
退職慰労金:無し
所得税・住民税計算:給与所得以外の所得無し、所得控除は社会保険料控除と基礎控除のみ
【退職金振替有りのケース】
月額報酬:800千円(450千円を退職金へ)
社会保険料:健康保険料率11.55%、厚生年金保険料率16.766%の料率を使用
役員在籍年数:4年1ヵ月
退職慰労金:22,050千円
所得税・住民税計算:給与所得以外の所得無し、所得控除は社会保険料控除と基礎控除のみ
上記のケースでは、所得税・住民税だけでは133千円の増加、社会保険料は1,189千円の減少となりほぼ効果はない状況になっています。
仮に、改正前の1/2の効果があった場合は以下のとおりとなります。特定役員退職手当に該当しないよう対策を取ることが可能であれば、対策をしておくべきであると言えます。