マイホームを賃貸した場合の減価償却費の計算
1. 減価償却における建物価額
一戸建てやマンションなど居住していた建物を賃貸した場合、年数に応じて建物が減価していくため減価償却を行い収入(賃料)に対する経費とします。
減価償却の対象となる建物価額は、購入時における建物の取得価額から、経過年数に応じた減価をする必要がありますが、取得価額から差し引く金額は以下の計算により算定します。
【平成19年3月31日以前に取得した建物】
当初の取得価額×0.9×旧定額法の償却率×経過年数
【平成19年4月1日以降に取得した建物】
当初の取得価額×定額法の償却率×経過年数
計算における注意点は、経過年数の端数は、6ヵ月以上は1年に切り上げ、6ヵ月未満は切り捨てて計算をします。また、自らの居住用として使用していた建物の場合における償却率は、法定耐用年数の1.5倍の年数に応じた数値を適用することになっています。上の計算式に当てはめる償却率は木造住宅の場合が0.031、鉄骨鉄筋コンクリート造および鉄筋コンクリート造住宅の場合が0.015となります。
2. 減価償却の耐用年数
木造住宅の法定耐用年数は22年、マンションなど鉄骨鉄筋コンクリート造および鉄筋コンクリート造住宅の法定耐用年数は47年です。22年に対応する償却率は、旧定額法、定額法とも0.046、47年に対応する償却率は、旧定額法、定額法とも0.022となっています。事務所、店舗、飲食店などに使用する建物であれば法定耐用年数が異なりますので、それに該当する場合は別途ご確認ください。
ただし、22年、47年というのは、あくまでも新築の場合の法定耐用年数です。中古マンションを取得した場合や住んでいたマイホームを貸した場合などには、経過年数に応じて耐用年数を計算し直さなければなりませんが、中古建物の耐用年数は次の計算式によって求めます。
中古建物の耐用年数=(法定耐用年数-経過年数)+経過年数(1年未満の端数は切り捨て)×0.2
例えば築8年の木造住宅であれば、(22年-8年)+8年×0.2=15年 となり、15年に対応する償却率(旧定額法:0.066、定額法:0.067)を適用することになります。
同様に築10年のマンションであれば、(47年-10年)+10年×0.2=39年 が耐用年数(償却率は旧定額法、定額法とも0.026)となります。