小野山公認会計士事務所

対価の無い合併・分割・株式交換(無対価組織再編)

債務超過会社を被合併会社とする合併等、株式の価値が無い場合において対価を交付しない場合がありますが、親子会社のようにグループ会社において対価の交付を省略して対価を0とする場合があります。このような無対価の組織再編が、税制適格となるか税制非適格となるかについては、平成22年度税制改正により明文化されており、以下の要件を満たすものが適格無対価組織再編とされています。

 

 

1. 無対価合併 

 

① 支配関係がある場合

 

100%の支配関係がある場合は、株主が保有する合併法人の株式価値に変動がないことから無対価でも適格となります。なお、2番目の「一の者」(法人税法施行令第4条の3第2項第2号ロ等)はグループ関係の判定等で用いられる「一の者」(法人税法施行令第4条の2に規定されている配偶者・6親等内の血族・3親等内の姻族等)とは異なり、親族等を含まない同一人物又は法人であることに注意が必要です。

適格となる無対価合併の関係図

 

② 共同事業を営むための場合

 

被合併法人の全て、又は、合併法人が資本(出資)を有しない場合(持分の無い法人)である場合に限り、適格合併に該当します。

 

 

2. 無対価分割

 

① 支配関係がある場合

100%の支配関係がある場合は、株主が保有する分割承継法人の株式価値に変動がないことから無対価でも適格となります。なお、「一の者」は、親族等が保有する株式を含まない同一人物・法人であることに注意が必要です。

適格となる無対価分割の関係図

② 共同事業を営むための場合

 

分割型分割である場合で、兄弟会社の関係ではない場合(上図の真中)に限り、適格分割に該当します

 

 

3. 無対価株式交換

 

① 支配関係がある場合

 

100%の支配関係がある場合は、株主が保有する株式交換完全親法人の株式価値に変動がないことから無対価でも適格となります。なお、「一の者」は、親族等が保有する株式を含まない同一人物・法人であることに注意が必要です。

適格となる無対価株式交換の関係図

② 共同事業を営むための場合

 

兄弟会社の関係ではない場合(上図の左)に限り、適格株式交換に該当します。

 

 

このように、無対価組織再編は対価の交付を省略できるため使い勝手の良いツールであり、グループ内組織再編で有効活用できる方法であると言えます。なお、上記に該当しない場合は、無対価の組織再編ができないということではなく、非適格組織再編になるだけで無対価組織再編自体は可能です。

 

当事務所では、合併、分割、株式交換等の組織再編のスキーム策定や会計・税務処理等のサービスを行っておりますので、ご相談があればお気軽にお問合せ下さい。

 

 

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