小野山公認会計士事務所

相続税申告期限後の土地の分割に係る小規模宅地等の評価減

相続した土地は、要件を満たせば小規模宅地等の評価減を適用することにより、相続税の計算上の評価が20%~50%になります。小規模宅地等の評価減は、相続税申告期限までに誰がどの財産を相続・遺贈するのかを決めて、相続税の申告書を提出する必要がありますが、遺産分割協議が整わず相続税の申告期限(被相続人の死亡から10ヵ月以内)に土地の分割が間に合わない場合があります。そのような場合には、小規模宅地等の評価減を適用しない形で期限内に申告を一旦行い、申告書とセットで「申告期限後3年以内の分割見込書」を税務署に提出します。

 

「申告期限後3年以内の分割見込書」を申告期限までに提出していれば、申告期限後3年以内に分割したものに限り小規模宅地等の評価減が適用することができます。ただし、注意が必要なのは、「申告期限後3年以内の分割見込書」を申告期限までに提出することは当然として、土地が分割された日の翌日から4ヵ月以内に更生の請求をする必要があります。特に複数の土地があり、複数の土地に対して小規模宅地等の評価減を適用し、分割確定時期が複数回に分かれる場合は、分割の都度更生の請求をすることと、最後の分割が終わった後に適用対象を遡及できないため、どの土地を評価減の対象とするのが最適なのかを判断することが必要です。

 

更に申告期限から3年経過しても、遺産分割協議がまとまらない時は、やむを得ない事情がある場合に限り「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出し、税務署の承認を受ければ、申告期限から3年経過した後でも、土地の分割ができることとなった日の翌日から4ヵ月以内に分割された時に限り、小規模宅地等の評価減が適用できます。ただし、「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」は、申告期限後3年を経過する日の翌日から2ヵ月以内の申請が必要であることから、うっかり期日が過ぎることが無いよう十分な注意が必要です。

 

 

「申告期限後3年以内の分割見込書」

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/sozoku-zoyo/annai/2327.htm

 

「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/sozoku-zoyo/annai/1585-01.htm

 

 

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