小野山公認会計士事務所

同族会社に賃貸する土地・建物の賃料にはご注意を

オーナーが所有する土地を同族会社に賃貸し、その土地に同族会社が建物を建築する場合、又は、オーナーが所有する土地にオーナーが建築した建物を、同族会社に賃貸する場合、以下の5つの要件を満たすことができれば、小規模宅地等の評価減を適用することができます。

 

特定同族会社事業用宅地等の該当事例

 

【特定同族会社事業用宅地等の適用上のポイント】

 

1. 出資要件

相続開始直前において、被相続人・当該被相続人の親族等が、同族会社の株式(出資)の50%超を保有

 

2. 法人役員要件

宅地等の承継者が相続税の申告期限までに法人税法に規定する役員に就任

 

3. 事業供用継続要件

宅地等を相続税の申告期限まで引き続き同族会社の事業の用に供用

 

4. 保有継続要件

宅地等の承継者が相続税の申告期限まで引き続き所有

 

5. 対価要件

法人に土地又は家屋を継続的に相当の対価で貸付

 

平成25年度税制改正により、平成27年1月の相続・遺贈より、事業用宅地と居住用宅地への小規模宅地の評価減が完全併用(事業用宅地の上限400㎡と居住用宅地の上限330㎡それぞれを適用)でき、土地の相続評価額が20%になるため併用の利用価値が高まります。

 

ただし、注意しないといけないのは、同族会社に対して土地を固定資産税程度、又は、無償で賃貸している場合は「使用貸借」となり、そもそも被相続人の事業用宅地に該当せず小規模宅地等の評価減が適用できなくなるので、注意して下さい。

では、「相当の対価」とはどれくらいの金額を言うのかが問題になりますが、「相当の対価」は地代又は家賃から固定資産税や減価償却費、その他の必要経費を差し引いた後に相当の利益が出ていれば問題はありません。また、相当の利益が出ていない場合でも、近隣の地代や家賃の相場で賃貸していれば問題ない場合もありますが、第三者に説明できるように資料を整備しておくことが重要となります。

なお、地代に関しては、「相当の地代」(自用地評価額の3年平均×年6%)や、「通常の地代」(地域における通常収受される地代、又は、路線価等を基に計算した底地の3年間平均×年6%)の概念がありますので、それらを使用する方が説明上わかりやすいと言えます。

 

 

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